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 最新作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の完成が待たれる庵野秀明が5月10日、東京・六本木のニコファーレで行われた「館長 庵野秀明 特撮博物館 -ミニチュアで見る昭和平成の技-」(7月開催)の発表会見に、樋口真嗣監督、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーとともに出席。会見の様子は「ニコニコ生放送」で中継され、約8000人のネット観客が見守った。


日本のお家芸ともいえる“ミニチュア特撮”の魅力を多角的に紹介する展覧会。ミニチュア特撮の熱狂的なファンで、「エヴァ」シリーズ製作にも多大な影響を受けたという庵野が“博物館館長”として、その魅力を後世に伝えるために企画した。会見では、同展覧会で庵野が企画、“博物館副館長”である樋口監督がメガホンをとるスタジオジブリ最新短編映画「巨神兵東京に現わる」が特別上映されることも発表された。

巨神兵は宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」に登場し、庵野が手がけたキャラクターとしても知られる存在。「せっかくなら展示だけではなく、映像も見たいよね」という鈴木氏の一言で、今回の短編映画製作が始動したといい「ちょうどジブリで会議していたから、僕と庵野で宮さん(宮崎監督)に挨拶に行った」(鈴木氏)。庵野は「『うん、いいよ』って即答でしたよね。ただ、ナウシカは出すなって言われました(笑)」と“条件付き”の承諾だったと振り返る。“実写版”巨神兵の造形デザインを手がけるのは、日本が世界に誇るフィギュア造形作家の竹谷隆之だ。

メガホンをとる樋口監督によれば、上映時間は「5分以上、10分未満。今は、その間を行ったり来たりしている」。自身もミニチュア特撮の大ファンであり、「やっぱりミニチュアで作るのは楽しいですよ。それに今回は展示を使って、どうやって(映像を)作ったのかも見てもらえる」と興奮気味だ。もちろんCGは一切使用せず「今の時代、ミニチュア特撮をやるのは、それはそれで大変。映像の作り手として、こうした手法もあると再提示できれば」と企画の意義を語った。


展覧会では、怪獣映画、SF映画、戦争映画、さらにヒーローが活躍するテレビ番組などで使用された貴重なミニチュアやデザイン画など約500点を一堂に展示。また、「特撮美術倉庫」や「ミニチュアステージ」など、映画製作現場をイメージしたスペースを作り、ミニチュア特撮の魅力に迫る。庵野“館長”は「僕らが子どもの頃に夢中になった特撮映像をもう一度再発見し、ミニチュアや技術を文化遺産として後世に残したいという気持ちがある。今やらないと二度とできないし、これが最後のチャンス」と熱弁。今後は、ミニチュアの保存や常設的な展示が理想だといい「その願いの第一歩にしたい」と抱負を語った。


「館長 庵野秀明 特撮博物館 -ミニチュアで見る昭和平成の技-」は7月10日から10月8日まで東京都現代美術館で開催される。公式HP http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/

http://eiga.com/news/20120510/10/


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