ペットを複数頭飼っている飼い主が、避妊・去勢などを怠り、異常繁殖して飼育を放棄してまう「多頭飼育崩壊」。その現場は惨憺たるものだ。糞尿は垂れ流しにされ、部屋の中はズタズタ。あまりの悪臭で鼻がマヒする。本誌5月15日号及び日刊SPA!でも既報(※)のとおり、その結果、飼育現場は地獄絵図のようになってしまう。

※「10畳に猫50匹を放し飼い」多頭飼育崩壊の惨劇 http://nikkan-spa.jp/205684

 そして今。東京都内にある一軒家で、100頭以上もの猫の多頭飼育崩壊が現在進行形で起きている。このケースの場合、飼い主が5月25日までに立ち退きを迫られているため、それまでに猫の行き場所を探さなければ、多数は殺処分されてしまう可能性があるという。

 そのケースの猫を”レスキュー”している動物保護団体「たんぽぽの里」(里親希望の方は代表番号042-707-4648 begin_of_the_skype_highlighting 042-707-4648 end_of_the_skype_highlightingまで)の石丸雅代氏はこう話す。

「多数の保護団体やボランティアが協力し、これ以上の繁殖が起きないよう、全頭の避妊手術を行いました。頭数は全部で105頭。なかにはしっぽが腐り、重症だったために治療を行っている猫もいます。現在はそのなかから第一陣として、30数頭を一時預かり場所に移動したところです」

 ちなみに、このお宅の猫の避妊手術代などはすべて、たんぽぽの里をはじめとする保護団体の捻出で賄われているのが現状だ。

 たんぽぽの里のような保護団体が持つ、猫の「シェルター」にも収容限界があり、預かりすぎてしまっては逆に”連鎖崩壊”を招いてしまう。預かりきれない70頭ほどの猫はまだ現場に置いておかざるを得なく、他の保護団体やボランティアで一時預かり先を懸命に探している状況だという。このような状況を招いたのは、飼い主の怠慢以外なにものでもないように思えるが、石丸氏は「それだけじゃない問題もある」という。

「このお宅の場合、猫を多く飼っていることから近隣住民が『この家なら飼ってくれるだろう』と思い、玄関先などに飼えなくなった猫を捨てていくんです。私たちがレスキューを行っている間にも、子猫が5匹も軒先に置かれていました。飼い主さんはそうした猫を可哀そうだと保護し続けた結果、こういった惨状になってしまったのです」

 単純に、この飼い主だけの問題でははなく、身勝手な飼い主全部が責任を負うべき話なのだ。

 退去期限の5月25日までに保護先が決まらなければ、現在残されている70数頭は殺処分されてしまうという。

 残された犬猫たちに救いの手は差し伸べられるのだろうか……。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

 http://news.livedoor.com/article/detail/6562831/