埼玉県長瀞町の荒川で三重県警が傷害容疑で指名手配していた少年(19)がおぼれ、近くでカヤックをしていたアウトドア関連会社従業員の男性(33)に救助されていたことが29日、埼玉県警への取材で分かった。三重県警からの情報で埼玉県警秩父署の署員が少年を発見し、追跡中だった。


 埼玉県警によると、25日午後5時すぎ、秩父署員が長瀞町内で三重ナンバーの乗用車と少年を発見。署員が追跡すると、少年は近くの荒川河川敷に逃げ込み、午後6時前に、荒川に飛び込んだ。荒川は雨の影響で増水しており、少年は泳ぎ切ることができず、男性が乗っていたカヤックにつかまったが、バランスを崩し一緒に転覆したという。


 男性は少年をカヤックの間に挟みながら抱きかかえて岸に泳ぎつき、無事だったという。少年は大量の水を飲んでおり、近くの病院に搬送された。命に別条はなく、26日に三重県警に身柄を引き渡した。県警が男性に少年が指名手配されていたことを伝えると、驚いた様子だったが、喜んでいたという。


 三重県警によると、少年は5月17日、三重県鈴鹿市内で元交際相手の女性(18)の顔などを殴ったとして、傷害容疑で逮捕された。体調不良を訴えたため、いったん釈放したが、自宅から埼玉県まで自動車で逃走したという。

 

提供:スポーツ報知