菊地直子容疑者が潜伏していたと見られる建物=4日未明
相模原市(古厩正樹撮影)
オウム真理教元幹部の菊地直子容疑者(40)は、家賃3万円程度の古い木造住宅に偽名を使い、高橋寛人容疑者(41)とひっそりと暮らしていた。仕事は介護サービス。月収13~14万円ほどで、職場では毎昼食、弁当を持ち込んで食べるなど、暮らしぶりは質素だった。職場の関係者は「周囲にも評判はよかった。菊地容疑者だとは思わなかった」と話す。
2人が平成22年12月ごろから潜伏していた相模原市緑区城山の自宅は、トタンが打ち付けられた2階建ての物置のような古い建物。実際に住めるのは1階の15畳ほどの1部屋だけ。
台所とトイレ、風呂は付いていた。建設会社から借りている形になっており、家賃は月額3万円ほど。家賃を滞納することはなかったという。
高橋容疑者が内装業をする一方、菊地容疑者は朝から、バスを乗り継いで約5キロ先の福祉施設に通って働く生活を送っていた。
施設関係者によると、高橋容疑者が以前から、施設代表と知り合いで2年ほど前に内装工事を請け負ったことがあったことから、菊地容疑者も自宅の隣にあった施設事務所で経理の仕事をするようになった。今年2月からは施設に通って、ホームヘルパーの仕事もするようになったという。
正社員ではなく、時給850円。週6日程度働き、月収13~14万円の収入。仕事は入浴介護をしたり、食事を出したりという内容。施設従業員は「高齢者のおむつ交換なども丁寧で、評判もよかった」と話した。
菊地容疑者は職場などで「桜井千鶴子」と名乗り、年齢は「今年で44歳」と4歳年上と偽っていた。福祉施設によると、菊地容疑者は今年2月、この偽名でホームヘルパー2級の資格も取得していた。2級は無試験のため講座を受けるだけのため、偽名でも取得可能だったとみられる。
服装はトレーナーやジーンズなどシンプル。化粧をしていないこともあったという。周囲には「埼玉県出身」とだけ話し、自分について詳しく話さなかった。職場でヘルパー仲間と遊びに行くこともなかった。
近所では、きちんとあいさつをし、笑顔を見せ、高橋容疑者と2人で「結婚していないが、付き合っている」と説明していたが、地域とのつきあいはあまりしたがらなかったようだ。
近所のゴミ掃除の当番にも参加していなかった。しかし、当番表に名前がなかったことから噂になった後は、「高橋」と名前を載せるようになったという。
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参考記事http://news.livedoor.com/article/detail/6623587/