保健所に引き取られた犬。その後、新しい飼い主が見つかった(県提供)


 県と高松市は、保健所で引き取った後に処分せざるを得ない犬や猫を減らすための協議会を設け、24日に初会合を開いた。都道府県別の犬の処分率が2011年度に全国ワーストとなるなど香川は高い水準にあり、県は来年度から10年間の動物愛護管理推進計画で、飼い主への返還・譲渡数を倍増させる考え。保健所を管轄する両者で対策を急ぐ。(萩原大輔)


 環境省の集計では、11年度に県内の保健所が引き取った犬2785匹のうち、新しい飼い主にもらわれるなどしたのは194匹に過ぎず、2591匹(93%)が処分された。全国平均(56%)を大きく上回った。2074匹を引き取った猫も処分率は97・7%でワースト14位。犬と猫を合わせた率は04年度以降、95%を上回り続けている。


 県によると、県内の保健所に引き取られるのは大半が野良犬や野良猫。気候が比較的温暖で冬を越しやすく繁殖も旺盛だが、人に慣れておらず、譲渡が難しいことが背景にあるという。


 しかし、昨年9月に動物愛護管理法が改正され、自治体には返還や譲渡を進める努力義務が課された。県は新しい愛護計画に、23年度までに返還・譲渡数を現在の倍の400匹程度とすることや、引き取り数を04年度比75%減の約1900匹にまで減らすなどの数値目標を盛り込む考えだ。


 会合には、双方の職員6人が出席。新しい飼い主が見つかるまで預かるボランティア制度を昨年9月に設け、県と市に登録した計6組が約20匹を預かっていることや、飼い主を募っている犬や猫の情報をホームページで紹介していることを報告し合った。


 現在は引き取りから10日程で処分しているため、高松市側からは「譲渡や返還に向け、より長期間保護できる施設を共同設置できないか」との意見も出た。