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東京地検立川支部前で謝罪するブラザー・コーン



 暴力団の名前を挙げて元マネジャーの男性を脅したとして6月12日に逮捕されたミュージシャンのブラザー・コーン(本名・近藤信秋=56)について、立川区検は3日、暴力行為等処罰法違反の罪で略式起訴した。立川簡裁は罰金20万円の略式命令を出し、コーンは罰金を即日納付、釈放された。報道陣の前で謝罪し、暴力団との交際を否定。代理人弁護士は、トラブルの要因は解任された元マネジャー・T氏(46)の逆恨み行為だとし、所属事務所がT氏に対する民事訴訟を視野に入れていることも明らかにした。


 逮捕から21日。釈放直後の午後3時半すぎ、報道陣の前に姿を現したコーンは、やつれた表情で深々と一礼し、約2分間にわたって謝罪した。


 愛用メガネとグレーのスーツ姿。はっきりした口調で「今回、前マネジャーとのトラブルにつきまして、酔っぱらっているとはいえ、社会に反する暴言を吐いたことをおわび申し上げます」と頭を下げ、「私は暴力団の付き合いは、全くございません」と、暴力団関係者との交際を否定した。関係者によると、逮捕前に比べて体重が5キロ減ったという。


 起訴状によると、コーンは5月16日、元マネジャーのT氏に対し、暴力団の名前を挙げて「おまえ、やられてもしょうがないだろ。命とりにいかれるぞ」などと電話で脅したとしている。


 この日、コーンの代理人を務める弁護士と個人事務所が、文書で連名のコメントを発表。T氏の証言の一部を否定し、逮捕経緯についての事実関係を明らかにした。まず、T氏の解任理由について、「『コーンが薬物をしている』と虚偽の事実を言いふらし、業務を妨害した」「女性タレントを脅迫した」など素行不良だったと説明。


 また、T氏は解任に対する逆恨みから、コーンや事務所に不当な金銭要求を突きつけてきたと主張。5月16日の電話については「(コーンが)酔っていた深夜に、怒らせて暴言を吐かせて、録音する計画のもと、わなを仕掛けたもの」と“ハメられた”ものだとした。


 弁護士によると、事務所側は、T氏に対して名誉棄損で訴えるなどの法的手段をとることも視野に入れているという。


 コーンの今後の活動再開は未定。勾留中、検察庁には芸能界の知人やファンら約2000人からの嘆願書が届いた。コーンは「(嘆願書は)心の支えになりました。この3週間を肝に銘じて、これからの人生をまっすぐ歩みたい」と前向きに話し、車に乗り込んだ。


 ◆逮捕からの経過
▽6月12日
 警視庁町田署が、暴力行為法違反の疑いでブラザー・コーンを逮捕。
▽同13日 コーンの所属事務所が、逮捕容疑について「酔っていたところへ、元マネジャーからの電話で意図的に挑発を受けたもの」とコメント。
▽同14日 コーンが東京地検立川支部に送検される。
▽同15日 都内にあるコーンの自宅を家宅捜索。暴力団との交際に関する証拠物は押収されず。


 ◆ブラザー・コーン 本名・近藤信秋。1955年11月5日、東京都生まれ。56歳。83年にブラザー・トムとともに「バブルガムブラザーズ」を結成。90年に「WON’T BE LONG」が大ヒットし、91年には紅白出場も果たした。その後、腎不全を発症したが、2005年に腎臓の移植手術を受け復帰していた。08年に「バブルガムブラザーズ」として、12年ぶりとなる新曲を発売し、音楽活動を再開している。


 

提供:スポーツ報知