福島市土船の児童養護施設「青葉学園」に28日、現金88万円の入った封筒が届いた。

 
同封の手紙には、現金は福島第一原発事故による東京電力の賠償金11人分と書かれ、「福島の未来を担う子供さんたちのために使っていただきたい」とつづられていた。

 
同施設の神戸信行園長(63)によると、同日午後1時半頃、60歳代とみられる男性が訪ねてきて、「預かったものを届けにきました」と茶色い封筒を手渡し、立ち去ったという。

 
手紙の差出人は「福島の獅子」を名乗り、「賠償金の恩恵に浴せない子供さんたちがいる」「故人一人の遺志を含め、十一名分、計八十八万円をお送りいたします」などと記されていた。

 
東電の賠償金は、県内23市町村では大人1人8万円で、妊婦と18歳以下は40万円または60万円が受け取れる。入所者は親が代わりに受け取ったり、住民票上の住居地が支給対象外だったりするため、賠償金は受け取っていないという。

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